【令和7年最新版】特定技能外国人制度が大幅改正!運用ルールと基準省令の変更点を徹底解説


2025年(令和7年)4月1日より、「特定技能外国人」の受け入れに関する運用規約および基準省令が大きく見直されました。

この改正は、外国人雇用に携わる企業や登録支援機関にとって非常に大きな意味を持ちます。これまで煩雑だった報告手続きや、面談の厳格な対面実施、地方自治体との関係構築などに関して大きな見直しが行われ、今後の制度運用がより柔軟かつ実効性のあるものへと進化しています。

この記事では、今回の改正内容をわかりやすく解説し、企業が対応すべきポイントや注意点について詳しくお伝えします。特定技能制度を導入・運用中の方はもちろん、今後導入を検討している企業の方も、ぜひ最後までご覧ください。


目次

報告書と届出が一本化!年1回の提出に簡素化

改正前の問題点

従来、企業や支援機関は「受け入れ活動状況報告書」を3か月に1回、「支援実施状況にかかる届出書」を必要に応じて提出しなければならず、報告業務が重複しているという課題がありました。

  • 受け入れ活動状況報告書(3ヶ月ごと)
  • 支援実施状況にかかる届出(随時)

これにより、支援機関には煩雑な書類作成と提出スケジュールの管理が課され、業務負担が大きくなっていました。

改正後のポイント

今回の制度改正により、上記2種類の書類が一本化され、今後は『特定技能外国人の受け入れ活動・支援実施状況にかかる届出書』として、年1回の提出で済むようになりました。

■ 提出頻度とスケジュール

  • 対象期間:毎年4月1日〜翌年3月31日
  • 提出期間:翌年4月1日〜5月31日(2ヶ月間)

この変更により、年間での書類作成回数が減るため、支援機関の業務効率化が見込まれます。


企業の適格性確認書類の提出が原則年1回に

適格性に関する書類とは?

これまで、在留資格(特定技能)の申請において、企業の適格性を示すために以下のような書類を毎回提出する必要がありました。

  • 登記簿謄本
  • 役員の住民票
  • 法人住民税の納付証明書

これらは、企業が適切に運営されていること、納税義務を果たしていることを証明するためのものでした。

改正後の運用

改正後は、これらの書類についても年1回の提出に変更され、支援活動状況届出と一緒にまとめて提出すればよくなります。つまり、毎回の在留資格申請のたびに準備する必要がなくなり、企業にとっての申請負担が大幅に軽減されます。

📌【注意点】令和7年4月1日以降に「初めて」特定技能外国人を受け入れる企業は、引き続き適格性書類の提出が必要です。年1回提出は、既に受け入れている企業が対象です。

この変更により、申請のたびに大量の書類を用意する手間がなくなり、企業側のコスト削減にもつながります。


面談がオンラインでも実施可能に(要件あり)

改正前:原則対面面談

特定技能外国人への定期的な支援活動の一環として、従来は登録支援機関が直接対面での面談を行うことが義務づけられていました。これは、外国人の就労状況や生活状況を正確に把握し、支援体制の質を保つためのものでした。

改正後:オンライン面談も可能に

今回の改正により、一定の条件を満たせばオンライン面談の実施が可能になりました。これにより、企業や登録支援機関の柔軟な対応が可能となり、遠隔地に所在する事業所などでも効率的な運用が期待されます。

オンライン面談の条件

  • 外国人本人の同意があること(同意書の取得が望ましい)
  • 本人が対面面談を希望する場合は、必ず対面で行うこと
  • 初回面談、および担当変更後の初回面談は対面で行うことが望ましい
  • 少なくとも1年に1回は対面面談を実施すること
  • 面談中に部屋全体をカメラで映して、第三者の不在を確認すること
  • 面談記録(動画や議事録)を特定技能雇用契約終了後1年間保管し、入管からの求めに応じて提出できるようにしておくこと

このようなルールに従うことで、支援の質を落とすことなく、より現実的かつ柔軟な支援体制が整います。


特定技能所属機関に地域社会への協力義務が追加

基準省令の改正により、今後は特定技能所属機関(受入企業)に対して、地方公共団体が実施する「共生社会の実現に向けた施策」への協力が法的に位置付けられました。

協力義務の内容

① 協力確認書の提出

外国人が活動する事業所のある自治体(市区町村)に対して「協力確認書」を提出する必要があります。

② 地方施策への協力申告

在留資格申請時に「地方施策への協力を行う旨」を正式に申告します。

③ 支援計画への地域情報の反映

地域で提供されている行政サービス、防災訓練、交通ルール、医療、公衆衛生、日本語教室、地域イベントなどの情報を支援計画に組み込み、外国人が地域で自立して生活できるようにします。

④ 実際の協力実施

自治体から要請があった場合は、企業として必要な協力(参加・広報・情報提供など)を実際に行う義務があります。

📌【注意点】すでに特定技能外国人を受け入れている企業も、令和7年4月1日以降、「在留資格変更」または「在留期間更新」を行う前に、これらの協力手続きに対応する必要があります。


企業がとるべき対応まとめ

今回の改正を受けて、企業が取るべき対応を以下に整理します。

対応項目内容
書類提出年1回の報告書+適格性書類(4月1日〜5月31日)
初回企業初回のみ適格性確認書類の提出が必要
面談対応原則オンライン可。ただし初回と年1回は対面必須
地域協力協力確認書・地方施策への申告・支援計画反映が必要

おわりに

今回の特定技能制度の改正は、企業や支援機関にとって業務効率化につながるポジティブな変更点が多く含まれています。同時に、地域社会との連携強化という新しい義務も明記され、より信頼性の高い受け入れ体制が求められるようになりました。

今後も外国人雇用においては制度の変化に迅速に対応し、法令を遵守しながら持続可能な受け入れを行うことが求められます。引き続き、行政書士や支援機関などの専門家と連携を取りながら、制度運用の最適化に努めていきましょう。

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