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在留資格認定申請で必須に!入国前結核スクリーニング制度を徹底解説

目次

結核スクリーニング制度の導入背景

日本国内の結核患者数は減少傾向にある一方で、外国出生者における結核の発症率は年々上昇しています。このような状況を受け、政府は2025年(令和7年)より、外国人の日本入国前に健康状態を確認する「入国前結核スクリーニング制度」を導入しました。

この制度は、特定の国籍を有する外国人が中長期の在留資格を取得し、日本に入国する際に、結核を発病していないことを証明する医療証明書(結核非発病証明書)の提出を義務づけるものです。

本制度は、もともと2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた感染症対策として開始予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の流行により一時見送られていました。その後、水際対策が緩和された2023年以降、入国者数の回復とともに制度開始が再検討され、2025年に正式導入されることとなりました。


結核スクリーニングとは?

入国前結核スクリーニング制度とは、対象となる国籍の外国人が、日本に90日を超える在留資格で入国しようとする際、事前に日本政府が指定する医療機関で胸部X線検査等を受診し、「結核を発病していない」ことを証明する文書を提出することが義務付けられる制度です。

この結核非発病証明書(Certificate of Non-Active Tuberculosis)は、在留資格認定証明書(COE)申請時に添付する必要があります。

注意点として、この証明書はどの医療機関でも取得できるわけではなく、各国にある日本政府指定の検診医療機関で受診した検査結果のみが有効です。

対象者と該当する在留資格

対象国籍(6か国)

  • フィリピン
  • ベトナム
  • インドネシア
  • ネパール
  • ミャンマー
  • 中国

対象となる在留資格

基本的には3か月を超える滞在を目的とする新規入国者が対象となります。対象となる在留資格の例は次のとおりです。

  • 留学(大学・専門学校・日本語学校)
  • 技術・人文知識・国際業務等の就労系ビザ
  • 家族滞在
  • 特定活動(53号・54号)デジタルノマドおよびその配偶者・子

対象外となる例外ケース

以下の条件に該当する場合、結核スクリーニングは免除されます

  • 短期滞在(3ヶ月以内)の方
  • すでに日本に在留資格を持ち、一時的に出国し再入国する方(みなし再入国含む)
  • 対象国籍であっても、現住所がスクリーニング非対象国であり、それを証明できる場合
  • 当面の間、以下の対象者も除外されます:
    • JETプログラム参加者
    • 自治体派遣の研修員
    • 国費留学生
    • 経済連携協定(EPA)による看護師・介護福祉士候補者
    • 特定技能外国人
    • 特定活動告示第55号(特定自動車運送業準備)
    • 家事支援外国人材受入事業(特区法第16条4)

なお、「当面の間」とされている対象外措置は今後変更される可能性があります。最新の通達を常に確認しましょう。

国別の制度適用開始日

国籍COE申請で証明書提出が必要となる日
フィリピン・ネパール2025年6月23日以降
ベトナム2025年9月1日以降
インドネシア・ミャンマー・中国未定(後日公表予定)

入国前結核スクリーニングの方法について

  1. 対象国籍かどうかを確認
  2. 対象者が、現地の指定医療機関で胸部X線検査と医師診察を受ける
  3. 結核非発病証明書を取得(有効期限は発行日から180日)
  4. 在留資格認定証明書交付申請時に入管に提出

取得から180日を超えると証明書は無効になるため、スケジュール管理に注意が必要です。

証明書の要件と注意点

  • 指定医療機関での受診が必須(厚生労働省または外務省が公表するリストを参照)
  • 証明書の有効期間は胸部レントゲン撮影の実施日より180日
  • 子どもや妊婦も対象

まとめ

2025年から入国前結核スクリーニング制度が導入されました。対象となる国の方が在留資格認定証明書を取得する場合は注意が必要です。また、常に最新の情報を確認する必要があります。最新の情報については、出入国在流管理長のホームページで確認しましょう。

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