【2026年最新】在留資格「介護」の制度改正を徹底解説|介護福祉士養成施設卒業者の経過措置が延長へ

介護分野で外国人材を雇用している介護施設・事業所にとって、2026年は重要な制度変更を確認しておきたい年です。
特に注目すべきなのが、介護福祉士国家試験の「パート合格制度」と、介護分野の特定技能1号外国人の通算在留期間延長措置です。
介護分野では、外国人材の受入れルートとして、技能実習、特定技能1号、EPA介護福祉士候補者、留学生からの就職、そして在留資格「介護」など、複数の制度が存在します。
その中でも、長期的に日本で介護職として働き続けるために重要になるのが、介護福祉士国家試験に合格し、在留資格「介護」へ変更するルートです。
一方で、特定技能1号「介護」には、原則として通算5年までという在留期間の上限があります。
そのため、介護福祉士国家試験にあと少しで合格できそうな外国人であっても、5年の上限に到達してしまうと、日本で働きながら次回試験に向けて準備することが難しくなるケースがありました。
今回の制度は、そのような外国人材について、一定の条件を満たす場合に、特定技能1号「介護」の通算在留期間を延長できる可能性を認めるものです。
この記事では、2026年最新情報として、介護分野の制度改正・経過措置の内容、施行時期、今までとの違い、対象者、注意点をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 2026年に追加された介護分野の通算在留期間延長措置の概要
- 在留資格「介護」と特定技能1号「介護」の違い
- 介護福祉士国家試験のパート合格制度とは何か
- 対象となる外国人・対象外となる外国人
- 必要書類、学習計画、登録支援機関との関係
- 介護事業者が早めに確認すべき実務上のポイント
すでに特定技能「介護」の制度全体については、以下の記事で詳しく解説しています。
本記事では、既存記事と重複しすぎないよう、2026年の新しい延長措置と在留資格「介護」への移行に焦点を当てて解説します。
今回の制度は「在留資格『介護』そのものの要件変更」ではありません
最初に、今回の制度について誤解しやすい点を整理します。
今回、厚生労働省が公表している内容は、在留資格「介護」そのものの要件を直接変更する制度ではありません。
正確には、介護福祉士国家試験のパート合格制度を活用し、介護分野で在留資格「特定技能1号」をもって在留する外国人について、一定の条件を満たす場合に通算在留期間の延長を認める措置です。
ポイント
対象の中心は、すでに在留資格「介護」を持っている外国人ではなく、特定技能1号「介護」で働いている外国人です。
ただし、この制度は在留資格「介護」と無関係ではありません。
むしろ、特定技能1号「介護」から在留資格「介護」へ移行するための重要な橋渡しになる制度です。
特定技能1号「介護」は、原則として通算5年までしか在留できません。
一方、在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を有する外国人が、介護または介護の指導を行うための在留資格であり、特定技能1号のような通算5年の上限はありません。
そのため、介護分野で外国人材を長期雇用したい場合、特定技能1号で受け入れた外国人が、将来的に介護福祉士国家試験に合格し、在留資格「介護」へ変更できるかどうかが大きなポイントになります。
在留資格「介護」とは
在留資格「介護」とは、介護福祉士の資格を有する外国人が、日本の介護施設等で介護業務または介護の指導を行うための在留資格です。
介護分野で働く外国人の在留資格には、特定技能1号、技能実習、EPA介護福祉士候補者、留学からの就職、家族滞在の資格外活動など、さまざまな形があります。
その中でも在留資格「介護」は、介護福祉士資格を取得した外国人が、より長期的・安定的に日本で介護職として働くための在留資格といえます。
- 介護福祉士資格を有することが前提となる
- 介護または介護の指導業務に従事できる
- 特定技能1号のような通算5年の上限がない
- 要件を満たせば在留期間の更新を重ねることができる
- 一定の条件のもとで家族帯同も検討できる
介護事業者にとっては、特定技能1号で採用した外国人が介護福祉士資格を取得し、在留資格「介護」へ変更できれば、長期雇用につながる可能性があります。
一方で、在留資格「介護」へ変更するためには、原則として介護福祉士国家試験への合格が重要になります。
そのため、今回のパート合格制度や通算在留期間延長措置は、介護事業者にとっても外国人本人にとっても非常に重要です。
今回の改正・措置の施行時期
今回の制度は、厚生労働省の通知に基づいて運用されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の中心となる通知 | 令和8年1月21日付通知 |
| 一部改正通知 | 令和8年3月30日付通知 |
| 主な対象 | 介護分野で在留資格「特定技能1号」を もって在留する外国人 |
| 制度の目的 | 介護福祉士国家試験のパート合格を活用し、 一定水準に達した外国人材の 在留継続を可能にすること |
令和8年、つまり2026年の第38回介護福祉士国家試験については、合格基準点64点の8割以上である52点以上の得点があり、かつ1パート以上合格していることが条件とされています。
制度を利用できるかどうかは、国家試験の結果、在留期限、特定技能1号としての通算在留期間、学習計画の内容などによって判断されます。
そのため、「制度ができたから自動的に延長できる」というものではありません。対象者ごとに、要件を丁寧に確認する必要があります。
また、厚生労働省の公表ページでは、令和8年の第38回国家試験に係る申請期限として、令和8年4月30日消印有効とされています。
実際に手続きを行う際は、必ず最新の様式・期限を確認してください。
これまでの制度では何が問題だったのか
これまで、特定技能1号「介護」で働く外国人は、原則として通算5年までしか日本に在留できませんでした。
5年を超えて介護職として日本で働き続けるためには、介護福祉士国家試験に合格し、在留資格「介護」へ変更することが代表的なルートになります。
しかし、介護福祉士国家試験は、日本人にとっても一定の学習が必要な国家試験です。
外国人にとっては、介護の専門知識に加え、日本語の読解力、制度理解、医学・福祉に関する用語の理解も求められます。
そのため、現場でしっかり働き、介護技術を身につけている外国人であっても、国家試験に一度で合格できないことがあります。
これまで問題になりやすかったケース
- 特定技能1号として5年目を迎えている
- 介護福祉士国家試験を受験したが、不合格だった
- ただし、一定以上の得点を取っており、1パート以上は合格している
- 次回の試験で合格できる可能性がある
- しかし、特定技能1号の5年上限に到達してしまう
このような場合、本人にとっては「あと少しで介護福祉士になれるかもしれない」のに、日本で働きながら次回試験を目指すことが難しくなります。
介護事業者にとっても、時間をかけて育成し、日本語や施設の業務にも慣れた人材を、5年で失ってしまう可能性があります。
今回の通算在留期間延長措置は、このような課題に対応するための制度です。
介護福祉士国家試験の「パート合格」とは
今回の制度を理解するうえで重要なのが、介護福祉士国家試験の「パート合格」です。
パート合格とは、介護福祉士国家試験において、試験全体としては不合格であっても、一定のパートについて合格基準に達していれば、そのパートについて合格扱いとなる仕組みです。
この制度により、受験者は一度の試験で全体合格できなかった場合でも、合格したパートを積み上げながら、次回以降の国家試験合格を目指しやすくなります。
外国人介護人材にとって、パート合格制度は非常に重要です。
介護福祉士国家試験では、単に介護技術があるだけではなく、制度、倫理、医学的知識、認知症、障害、生活支援技術など、幅広い分野の知識が問われます。
また、問題文は日本語で出題されるため、専門用語の理解や読解力も必要になります。
パート合格制度によって、外国人本人は自分の弱点を把握し、次回試験に向けて重点的に学習しやすくなります。
介護事業者側も、どの分野を支援すればよいのかを把握しやすくなります。
今回の通算在留期間延長措置の概要
今回の措置では、介護分野の特定技能1号外国人が、5年の通算在留期間に達する前の最終年度に介護福祉士国家試験を受験し、一定の成績を収めた場合に、特定技能1号の通算在留期間の延長が認められる可能性があります。
重要なのは、単に「介護福祉士国家試験を受けた」「不合格だったが頑張っていた」というだけでは足りない点です。
令和8年 第38回介護福祉士国家試験については、次の条件が示されています。
- 合格基準点64点の8割以上である52点以上の得点があること
- かつ、1パート以上に合格していること
つまり、国家試験全体として合格には届かなかったとしても、合格基準点に相当程度近い得点を取り、さらに1パート以上について合格していることが必要です。
この制度は、試験合格の見込みがまったくない方を広く救済する制度ではありません。
あくまで、介護福祉士国家試験の合格に近い水準にあり、学習計画を立てて次回以降の合格を目指す外国人材について、例外的に在留継続の可能性を認める制度と考えるべきです。
対象となる外国人・対象外となる外国人
今回の措置の対象は、介護分野で在留資格「特定技能1号」をもって日本に在留する外国人です。
介護施設で働いている外国人であれば誰でも対象になるわけではありません。
| 現在の在留資格・立場 | 今回の措置の対象 |
|---|---|
| 特定技能1号「介護」 | 対象となる可能性あり |
| 技能実習 | 対象外 |
| EPA介護福祉士候補者 | 対象外 |
| 在留資格「介護」 | すでに介護福祉士資格を前提とするため、 今回の措置とは別制度 |
| 留学・家族滞在の資格外活動 | 対象外 |
同じ介護施設で働いていても、在留資格によって利用できる制度は異なります。
介護事業者は、まず対象外国人の在留カードを確認し、現在の在留資格が「特定技能1号」であるかを確認する必要があります。
また、特定技能1号であっても、介護分野以外の特定技能1号は今回の介護分野の措置とは関係ありません。
対象は、あくまで介護分野で特定技能1号として在留している外国人です。
延長措置を利用するための具体的な手続きの流れ
ここからは、実際に介護分野の特定技能1号外国人が今回の延長措置を利用する場合の手続きについて解説します。
制度の趣旨からすると、「介護福祉士国家試験に合格する可能性が高い外国人材に対して、もう一度チャレンジする機会を与える制度」といえます。
そのため、単に試験を受験しただけでは足りず、国家試験の結果や学習計画などを提出し、今後の合格見込みを示す必要があります。
手続きの流れ
- 介護福祉士国家試験を受験する
- 試験結果を確認する
- パート合格及び得点要件を満たしているか確認する
- 学習計画を作成する
- 厚生労働省へ確認依頼を行う
- 確認結果を受領する
- 地方出入国在留管理局へ申請する
- 在留期間更新許可等を受ける
特に重要なのは、厚生労働省への確認手続きと、入管への在留申請は別の手続きであるという点です。
厚生労働省から確認結果を受けても、自動的に在留期間が延長されるわけではありません。
最終的には、地方出入国在留管理局へ在留期間更新許可申請等を行う必要があります。
必要書類は何がある?
厚生労働省が公表している資料によると、主に次のような書類が必要になります。
- 確認依頼書
- 介護福祉士国家試験結果通知書の写し
- 在留カード表面の写し
- 学習計画
- その他必要に応じて求められる資料
厚生労働省の公表ページでは、提出方法について郵送のみ受付とされており、持ち込みやメール送付では受け付けない旨も示されています。
実際に申請する際は、最新の様式、提出期限、送付先を必ず確認してください。
学習計画書で重要なポイント
今回の制度は、「次回の国家試験合格を目指す外国人材」のための制度です。
したがって、学習計画書の内容が不十分であると、制度の趣旨に沿わないと判断される可能性があります。
学習計画書には、次のような内容を具体的に記載することが望ましいでしょう。
- 次回受験予定時期
- 学習スケジュール
- 施設内での支援体制
- 日本語学習の方法
- 模擬試験等の受験予定
- パート合格済み分野と課題分野
- 担当指導者
例えば、「次回試験に向けて勉強します」という内容だけでは不十分です。
毎週何時間学習するのか、施設としてどのような支援を行うのか、日本語力向上のためにどのような研修を実施するのかなど、具体的な内容が求められます。
登録支援機関が関与している場合の注意点
介護分野の特定技能外国人については、登録支援機関へ支援を委託しているケースが少なくありません。
その場合でも、今回の制度については介護施設側が主体的に対応する必要があります。
登録支援機関が支援責任者となることはできますが、確認依頼書の提出主体は特定技能所属機関です。
つまり、介護施設、登録支援機関、外国人本人が連携しながら手続きを進める必要があります。
支援を外部委託しているからといって、施設側が何もしなくてよいわけではありません。
特に学習計画の策定や勤務シフトとの調整については、介護施設側の協力が不可欠です。
登録支援機関について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
介護事業者が今すぐ確認すべき5つのポイント
① 特定技能1号としての通算在留期間
まず確認すべきなのは、対象外国人が特定技能1号として何年在留しているかです。
在留カードの期限だけではなく、特定技能1号としての通算在留期間を把握する必要があります。
② 国家試験受験予定の有無
介護福祉士国家試験を受験する予定があるか確認しましょう。
受験しなければ今回の制度の対象になることはできません。
③ 試験結果の確認
単純に合格・不合格だけではなく、総得点、パート合格の有無、弱点分野を確認することが重要です。
④ 学習支援体制
施設内で学習支援体制を構築しているか確認しましょう。
試験直前だけではなく、年間を通じた支援体制が重要です。
⑤ 在留期限との関係
在留期限と試験結果発表日の関係も重要です。
国家試験の結果が出た直後に在留期限を迎える場合には、合格発表後直ちに厚生労働省への確認手続きが必要になります。
今回の制度による介護事業者のメリット
今回の制度は外国人本人だけでなく、介護事業者にも大きなメリットがあります。
優秀な人材を継続雇用できる可能性が高まる
介護施設では、外国人材の育成に多くの時間とコストをかけています。
日本語教育、介護技術指導、施設ルールの教育など、受入れ当初は特に負担が大きくなります。
しかし、ようやく戦力化した頃に5年上限で離職してしまうと、施設にとって大きな損失になります。
今回の制度は、そのような人材を継続雇用できる可能性を高めるものです。
介護福祉士取得者の増加につながる
介護福祉士資格を取得した外国人は、在留資格「介護」への変更が可能になります。
施設としても、長期的に勤務してくれる介護福祉士を確保しやすくなります。
利用者との信頼関係を維持できる
外国人職員が長期間勤務することで、利用者や家族との信頼関係も深まります。
介護現場では人間関係の継続性が重要であり、今回の制度はその面でも大きな意味があります。
在留資格「介護」への変更を見据えた準備が重要
今回の制度は、あくまでも特定技能1号「介護」の延長措置です。
最終的なゴールは、介護福祉士国家試験に合格し、在留資格「介護」へ変更することになります。
そのため、介護施設としては、延長措置を利用するかどうかだけではなく、介護福祉士取得支援、日本語能力向上支援、国家試験対策、長期雇用計画まで含めて考えることが重要です。
就労ビザ全般について相談したい方は、以下のページもご覧ください。
よくある質問
- 国家試験に不合格でも延長できますか?
-
一定の条件を満たした場合は可能性があります。
ただし、単なる不合格では足りず、パート合格及び一定以上の得点が必要です。 - 技能実習生も対象ですか?
-
対象ではありません。
今回の制度は介護分野の特定技能1号外国人が対象です。 - 在留資格「介護」の人も対象ですか?
-
対象ではありません。
在留資格「介護」はすでに介護福祉士資格を前提とする在留資格です。 - 登録支援機関だけで手続きできますか?
-
できません。
確認依頼書は特定技能所属機関が取りまとめて郵送する必要があります。
登録支援機関に支援を委託している場合でも、介護施設側の協力が必要です。 - 厚生労働省の確認を受ければ自動的に在留期間が延長されますか?
-
自動的に延長されるわけではありません。
厚生労働省への確認手続きとは別に、地方出入国在留管理局への在留期間更新許可申請等が必要です。
まとめ
2026年の制度改正により、介護分野の特定技能1号外国人について、一定の条件を満たす場合に通算在留期間延長の可能性が設けられました。
今回の制度は、在留資格「介護」そのものの要件変更ではありません。
しかし、介護福祉士国家試験合格を目指す外国人材にとって大きな支援となるだけでなく、介護事業者にとっても人材確保・定着に大きく寄与する制度です。
特定技能1号として5年目を迎える外国人がいる場合は、早めに国家試験の受験状況や在留期限を確認し、適切な準備を進めましょう。
行政書士へ相談するメリット
今回の制度は、厚生労働省への確認手続き、学習計画の作成、在留資格手続き、期限管理など、複数の手続きが関係します。
制度を誤解したまま進めると、せっかく対象となる外国人材であっても手続きが間に合わない可能性があります。
また、特定技能1号から在留資格「介護」への移行を見据える場合、将来的なビザ戦略も重要になります。
行政書士カラフル事務所へご相談ください
行政書士カラフル事務所では、介護分野の外国人材受入れに関する各種手続きをサポートしています。
- 特定技能1号「介護」の在留資格申請
- 在留期間更新許可申請
- 在留資格「介護」への変更申請
- 介護福祉士国家試験後の手続き相談
- 登録支援機関に関する相談
- 外国人雇用体制の整備支援
千葉県木更津市を拠点に、オンライン相談により全国対応しております。
介護分野で外国人材の受入れをご検討中の事業者様、特定技能外国人の在留期限が近づいている事業者様は、お気軽にご相談ください。
- 特定技能1号「介護」の外国人が5年目に近づいている
- 介護福祉士国家試験の結果を見て、延長措置の対象か確認したい
- 学習計画書の作成方法がわからない
- 登録支援機関と施設側の役割分担を整理したい
- 将来的に在留資格「介護」へ変更したい