【2026年最新】特定在留カードとは?在留カードとマイナンバーカードの一体化を行政書士が徹底解説

2026年6月14日から、外国人の在留管理に関わる大きな制度改正が始まりました。

今回の改正で特に注目されているのが、在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」です。

これまで中長期在留者である外国人の方は、在留カードとマイナンバーカードを別々に管理する必要がありました。

しかし、2026年6月14日からは、希望する方について、在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」の交付を受けることができるようになりました。

また、同日以降に発行される在留カードについては、新しい様式のカードが導入されています。
つまり、今後の外国人雇用の現場では、従来の在留カード、新様式の在留カード、特定在留カードが混在することになります。

外国人本人にとっては、カード管理や行政手続の利便性に関わる重要な変更です。
一方で、外国人を雇用する企業、特定技能外国人を受け入れている受入機関、登録支援機関にとっても、在留カードの確認方法、在留期限管理、住所変更時の対応などを見直すきっかけになります。

この記事では、出入国在留管理庁の公式ページ、Q&A、リーフレット等の情報を基に、行政書士の視点から特定在留カード制度の概要、従来の在留カードとの違い、企業実務で注意すべきポイントをわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 特定在留カードとは何か
  • 2026年6月14日から何が変わったのか
  • 在留カードとマイナンバーカードの一体化の目的
  • 特定在留カードの対象者
  • 従来の在留カード・新様式カード・特定在留カードの違い
  • 券面記載事項とICチップ記録事項
  • 外国人本人・企業・登録支援機関への影響
目次

1. 特定在留カードとは?

※出典:出入国在留管理庁『特定在留カード交付申請について』

特定在留カードとは、在留カードとマイナンバーカードを一体化したカードです。

在留カードは、外国人の在留資格や在留期間、就労制限の有無などを確認するためのカードです。
一方、マイナンバーカードは、日本に住民登録をしている方に交付される本人確認書類であり、行政手続やオンライン申請などに利用されます。

これまで外国人の方は、在留カードとマイナンバーカードを別々に管理する必要がありました。
在留期間更新などの手続は地方出入国在留管理局、マイナンバーカードに関する手続は市区町村窓口というように、手続先も分かれていました。

特定在留カード制度は、このような負担を軽減するために設けられた制度です。

重要ポイント
特定在留カードは、在留カードとマイナンバーカードを1枚にまとめる制度です。
ただし、取得は義務ではありません。
希望しない場合は、従来どおり在留カードとマイナンバーカードを別々に持つこともできます。

ここは誤解が多い部分です。
2026年6月14日以降、すべての外国人が必ず特定在留カードに切り替えなければならないわけではありません。
マイナンバーカードの取得自体が任意であるため、特定在留カードの取得も任意です。

ただし、今後は在留カードの様式自体も変わっていくため、企業担当者や登録支援機関は「特定在留カードを持っている人」と「新様式の通常の在留カードを持っている人」の両方に対応できるようにしておく必要があります。

2. 2026年6月14日の制度改正で何が変わったのか

2026年6月14日からの変更点は、大きく分けると次の2つです。

変更点内容実務上の意味
特定在留カード制度の開始在留カードとマイナンバーカードを一体化したカードを
希望者が申請できる制度
外国人本人のカード管理や手続負担の軽減につながる可能性
新様式の在留カードの導入2026年6月14日以降に発行される在留カードの様式が変更従来カード、新様式カード、特定在留カードが混在する

特に注意したいのは、「特定在留カード」と「新様式の在留カード」は同じものではないという点です。

特定在留カードは、在留カードとマイナンバーカードを一体化したカードです。
一方、新様式の在留カードは、マイナンバーカードと一体化していない通常の在留カードです。

つまり、2026年6月14日以降は、次のようなカードが実務上併存します。

今後、実務上混在するカード

  • 2026年6月13日以前に発行された従来の在留カード
  • 2026年6月14日以降に発行された新様式の在留カード
  • 在留カードとマイナンバーカードを一体化した特定在留カード

外国人本人にとっては、カードの選択肢が増えたといえます。
一方で、企業にとっては、確認すべきカードの種類が増えることになります。
採用時や更新時にカードの見た目だけで判断せず、制度の違いを理解した上で確認することが重要です。

3. 特定在留カード導入の背景と目的

特定在留カード制度が導入された背景には、外国人住民の利便性向上と行政手続の効率化があります。

これまで外国人の方は、在留カードとマイナンバーカードを別々に持つ必要がありました。
たとえば、在留期間更新許可を受けた後、在留カードに関する手続は入管で行い、マイナンバーカードに関する手続は市区町村で行う必要があるなど、複数の窓口に行かなければならない場面がありました。

出入国在留管理庁が公表している改正法の概要資料でも、在留カードに関する手続は地方入管、マイナンバーカードに関する手続は市町村の窓口となっており、在留期間の更新などがあった場合に、それぞれの手続場所へ赴く必要があったことが制度改正の背景として示されています。

特定在留カードにより、在留カードとマイナンバーカードを一体化することで、手続のワンストップ化やカード管理の負担軽減が期待されています。

行政書士の視点
特定在留カード制度は、外国人本人にとって便利な制度である一方、企業実務では「カードが1枚になったから確認が簡単になる」とは限りません。
むしろ、従来カード・新様式カード・特定在留カードが混在するため、企業側の確認体制を整理しておくことが重要です。

特に、外国人を継続的に雇用している企業では、在留期限管理、就労資格確認、住所変更時の手続、マイナンバー管理がそれぞれ別の担当部署に分かれていることがあります。
制度改正を機に、社内の外国人雇用管理フローを見直すことをおすすめします。

4. 特定在留カードの対象者

特定在留カードの対象となるのは、基本的には在留カードの交付対象となる中長期在留者です。

中長期在留者とは、在留カードの交付対象となる外国人をいいます。
たとえば、次のような在留資格で日本に在留している方が該当します。

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 特定技能
  • 技能
  • 介護
  • 経営・管理
  • 高度専門職
  • 家族滞在
  • 留学
  • 永住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 定住者

一方、短期滞在など、そもそも在留カードの交付対象ではない在留資格の方は、特定在留カードの対象にもなりません。

また、特別永住者については、通常の在留カードではなく特別永住者証明書の制度が適用されます。
そのため、マイナンバーカードと一体化する場合は、特定在留カードではなく「特定特別永住者証明書」という名称になります。

対象者の整理

  • 中長期在留者:特定在留カードの対象になり得る
  • 特別永住者:特定特別永住者証明書の対象になり得る
  • 短期滞在者など在留カードが交付されない方:特定在留カードの対象外

企業の実務で特に関係が深いのは、特定技能、技術・人文知識・国際業務、技能、介護、経営・管理などの就労系在留資格です。
これらの在留資格では、在留カードの確認が雇用管理上非常に重要になります。

就労ビザについて詳しく知りたい方は、行政書士カラフル事務所の就労ビザの解説ページもあわせてご確認ください。

5. 特定在留カードと従来の在留カードの違い

特定在留カードを理解するためには、従来の在留カード、新様式の在留カード、特定在留カードの違いを整理しておくことが大切です。

カードの種類概要マイナンバーカード
機能
企業実務上の注意点
従来の在留カード2026年6月13日以前に発行された在留カードなし有効期間内は引き続き使用されるため、しばらく併存する
新様式の在留カード2026年6月14日以降に発行される通常の在留カードなし券面・ICチップの確認方法を理解する必要がある
特定在留カード在留カードとマイナンバーカードを一体化したカードありマイナンバーの取扱い、暗証番号管理、ICチップ確認に注意

企業が外国人を雇用する際に重要なのは、「どのカードであっても、在留資格・在留期限・就労制限の確認が必要である」という点です。

特定在留カードになったからといって、企業の確認義務がなくなるわけではありません。
むしろ、カードの種類が増えることで、担当者が制度を理解していないと確認漏れが起こる可能性があります。

特に、留学生のアルバイト、家族滞在の資格外活動、特定技能外国人の転職、技術・人文知識・国際業務の職務内容確認などでは、在留カードの見た目だけではなく、実際の活動内容と在留資格が合っているかを確認することが重要です。

※出典:出入国在留管理庁『在留カードとは?』

6. 特定在留カードの券面とICチップ|何が表示され、何が記録されるのか

今回の制度変更で、企業担当者が特に注意すべきなのが、カード券面に記載される情報と、ICチップに記録される情報の違いです。

特定在留カードの券面記載事項として、氏名、生年月日、性別、国籍の属する国又は地域、住居地、在留資格、在留期間の満了の日、在留カードの番号、有効期間の満了の日、就労制限の有無、資格外活動許可を受けているときはその旨などが示されています。
また、マイナンバーはカード裏面に記載されます。

※出典:出入国在留管理庁『特定在留カード交付申請について』

券面で確認できる主な事項実務上の確認ポイント
氏名・生年月日・性別・国籍地域本人確認の基本情報
住居地住所変更時の届出確認に関係
在留資格就労可能な業務内容の確認に必要
在留期間の満了の日更新期限管理に重要
就労制限の有無・資格外活動許可の有無採用時・雇用継続時の確認に重要
マイナンバー裏面に記載。
個人番号法に基づく厳格な管理が必要

一方で、現行の在留カードに記載されていた事項のうち、在留期間、許可の種類、許可年月日、在留カードの交付年月日などについては、ICチップにのみ記録される扱いになることが出入国在留管理庁の公式ページ内で説明されています。

企業担当者はここに注意
カードの種類によっては、券面だけでは確認しきれない情報があります。
外国人雇用の実務では、在留カード等読取アプリケーション等を活用し、必要に応じてICチップ情報を確認する体制を整えることが重要です。

特に、採用時、在留期間更新時、転職時、資格外活動許可の確認時には、券面確認だけで済ませず、在留資格と実際の業務内容が合っているかまで確認しましょう。

7. 特定在留カードのメリット|外国人本人・企業・行政それぞれの視点

特定在留カードには、外国人本人にとってのメリットだけでなく、企業や行政にとっても期待される効果があります。

外国人本人のメリット

外国人本人にとって最も大きなメリットは、在留カードとマイナンバーカードを1枚にまとめられることです。
カードを2枚持ち歩く必要がなくなり、紛失リスクや管理負担の軽減につながります。

また、在留期間更新などの手続とマイナンバーカード関係の手続が連動しやすくなることで、複数の窓口を行き来する負担が軽くなることも期待されています。

企業のメリット

企業にとっては、外国人従業員の本人確認や在留管理を行う際に、制度が整理されることで、管理フローを見直すきっかけになります。

ただし、カードが一体化されたからといって、企業の確認作業が不要になるわけではありません。
むしろ、カードの種類が増えるため、社内で確認方法を統一することが大切です。

行政手続上のメリット

行政手続上は、在留カードとマイナンバーカードの一体化により、手続の効率化が期待されています。
出入国在留管理庁の資料でも、在留カードに関する手続とマイナンバーカードに関する手続が別々の窓口で行われていたことが課題として示されています。

特定在留カード制度は、外国人本人の負担軽減だけでなく、行政手続のデジタル化・効率化の流れの中に位置付けられる制度といえます。

8. 特定在留カードの注意点|便利になる一方で企業実務は慎重に

特定在留カードは便利な制度ですが、実務上はいくつか注意点があります。

注意点1|取得は任意であり、全員が持つわけではない

特定在留カードは義務ではありません。
そのため、同じ会社で働く外国人従業員の中でも、従来の在留カードを持つ人、新様式の在留カードを持つ人、特定在留カードを持つ人が混在する可能性があります。

企業側は、特定在留カードを持っていないことを理由に不利益な扱いをすることは避けるべきです。
マイナンバーカードの取得は任意であり、特定在留カードの取得も任意であることを理解しておきましょう。

注意点2|マイナンバーの取扱いに注意が必要

特定在留カードには、マイナンバーカードとしての機能があります。
そのため、カード裏面にはマイナンバーが記載されます。

企業がマイナンバーを取得・保管する場合は、利用目的の明示、安全管理措置、保管・廃棄方法など、個人番号法に基づく適切な管理が必要です。
外国人従業員の在留カード確認のつもりでカードの裏面をむやみにコピーすることは、マイナンバー管理の観点から慎重に考える必要があります。

注意点3|在留資格の確認義務は変わらない

特定在留カードになっても、在留資格の範囲内で働く必要があることは変わりません。

たとえば、技術・人文知識・国際業務で在留する方が単純作業中心の業務に従事する場合、在留資格該当性が問題となる可能性があります。
特定技能の場合は、分野・業務区分・受入機関の要件・支援体制なども確認が必要です。

在留カードが特定在留カードになったとしても、実際の業務内容と在留資格が合っているかを確認することが重要です。

行政書士カラフル事務所からのアドバイス
特定在留カード制度は、外国人本人の利便性を高める制度です。
しかし、企業にとっては「在留管理が不要になる制度」ではありません。
外国人雇用では、在留資格、在留期限、就労可能な業務内容、資格外活動許可、更新スケジュールを総合的に確認することが重要です。

特定技能外国人を受け入れている企業様は、行政書士カラフル事務所の特定技能制度の解説ページもあわせてご確認ください。

登録支援機関による支援体制については、登録支援機関による特定技能外国人支援ページをご覧ください。

9. 特定在留カードの申請方法

  • 特定在留カードはいつ申請できるのか?
  • 特定在留カードを希望する場合の手続
  • 更新時に自動で切り替わらないことの説明

ここからは、特定在留カードの申請方法について、実務で確認すべきポイントを整理します。

特定在留カードは、在留カードとマイナンバーカードを一体化する制度です。
そのため、単に「カードを新しくする手続」というより、在留カードに関する手続と、マイナンバーカードに関する手続の両方の性質を持つ手続として理解する必要があります。

出入国在留管理庁の公式ページでも、特定在留カードはマイナンバーカードと在留カードの両方の性質を持つため、マイナンバーカードと在留カードの両方の手続が必要になると案内されています。

特定在留カードの申請は、代表的には次のような手続とあわせて検討することになります。

申請を検討する場面主な内容実務上のポイント
在留期間更新許可申請現在の在留資格のまま
在留期間を更新する手続
更新時に特定在留カードへの
切替を検討しやすい
在留資格変更許可申請留学から就労、家族滞在から就労など在留資格を変更する手続新しい在留カードの交付と
あわせて確認する
住居地届出転入・転居等に伴う
住居地の届出
市区町村窓口での手続と
関係する
在留カードの再交付等紛失、汚損、毀損、
交換希望などによる再交付
理由により手数料や
手続内容が異なる

注意したいのは、特定在留カードを希望する場合でも、在留期間更新や在留資格変更そのものの審査が簡単になるわけではないという点です。
カードの一体化は、あくまでカードと行政手続の利便性に関する制度です。
在留資格の該当性、安定性、継続性、素行、納税状況、所属機関の状況など、在留審査で確認される事項は従来どおり重要です。

実務ポイント
外国人本人から「特定在留カードにしたい」と相談を受けた場合でも、まず確認すべきなのは、現在どの在留手続を行うタイミングなのかです。
更新申請、変更申請、住所変更、再交付など、同時に行う手続によって準備すべき書類や窓口が変わります。

10. 申請先と申請できるタイミング

特定在留カードの申請先は、同時に行う手続の内容によって異なります。

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請など、入管で行う在留手続とあわせる場合は、地方出入国在留管理局が関係します。
一方、住居地届出とあわせる場合は、市区町村窓口が関係します。

手続の種類主な窓口確認事項
在留期間更新許可申請地方出入国在留管理局在留資格ごとの必要書類、
手数料、受領方法
在留資格変更許可申請地方出入国在留管理局変更後の活動内容、雇用契約、所属機関資料
住居地届出市区町村窓口転入・転居届、住民票、
カード情報の更新
紛失・汚損等による再交付地方出入国在留管理局等紛失届、写真、本人確認、
手数料の有無

ここで誤解しやすいのは、「特定在留カードになれば、在留資格に関する手続もすべて市区町村で済む」というわけではない点です。
在留資格に関する審査・許可は、基本的に地方出入国在留管理局が行います。
住民票や住居地届出、マイナンバーカード関係の手続は、市区町村が関係します。

企業担当者や登録支援機関は、外国人本人に説明する際に、「入管で行う手続」と「市区町村で行う手続」を分けて案内することが大切です。

11. 特定在留カードの必要書類

出入国在留管理庁の公式ページでは、特定在留カード等交付申請に必要な書類として、主に次のものが案内されています。

必要書類内容注意点
特定在留カード等交付申請書特定在留カードの交付を
希望するための申請書
同時に行う在留手続・届出の内容と整合させる
暗証番号等設定依頼書マイナンバーカード機能に
関する暗証番号等を
設定するための書類
暗証番号は本人が管理し、
会社や支援機関が安易に
保管しない
写真1葉カード券面に使用する顔写真同時に行う在留手続で写真を提出する場合、重ねて提出不要とされる場合がある
同時に行う手続に必要な書類在留期間更新、在留資格変更、住居地届出等の本体手続の書類特定在留カードの書類だけでは足りない

※出典:出入国在留管理庁『特定在留カード交付申請について』

特に重要なのは、特定在留カードの申請書類だけを準備しても、本体の在留手続は完了しないという点です。

たとえば、在留期間更新許可申請と同時に特定在留カードを希望する場合、在留資格ごとの更新申請書類も必要になります。
技術・人文知識・国際業務であれば、雇用状況や職務内容、所属機関の資料、課税・納税状況などが問題になります。
特定技能であれば、受入機関の適合性、雇用条件、支援状況、協議会加入、届出状況なども重要です。

特定技能外国人の受入れや更新申請については、行政書士カラフル事務所の特定技能制度の解説ページもあわせてご確認ください。

実務ポイント
企業や登録支援機関が更新申請の準備を行う際は、事前に外国人本人へ「特定在留カードを希望するか」を確認しておくとスムーズです。
希望する場合は、通常の更新書類に加えて特定在留カード等交付申請書等の準備が必要になります。

12. 手数料|無料の場合と有料の場合を分けて理解する

特定在留カードに関する手数料は、誤解が生じやすい部分です。

出入国在留管理庁の公式情報では、在留カードの交付申請を行い、特定在留カードの交付を受ける場合には、手数料は必要ない旨が案内されています。
また、紛失等による在留カードの再交付申請についても、手数料はかからないとされています。

一方で、交換希望による在留カードの再交付申請については、出入国在留管理庁の公式ページで手数料1,900円と案内されています。
また、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請など、本体の在留手続については、許可時に所定の手数料が必要となる場合があります。

手続手数料の考え方注意点
特定在留カードの交付申請公式情報上、手数料不要と案内本体の在留手続の手数料とは
分けて考える
紛失等による在留カード再交付公式情報上、手数料不要紛失届等の証明資料が
必要となる場合がある
交換希望による再交付公式情報上、1,900円理由が「交換希望」の場合は
有料となる点に注意
在留期間更新許可申請等許可時に所定の手数料が
必要となる場合あり
特定在留カードの交付手数料とは別に確認する

説明時の注意
外国人本人や企業担当者に「特定在留カードは無料です」とだけ説明すると、在留期間更新許可申請など本体手続の手数料まで無料だと誤解される可能性があります。

「何が無料で、何が有料か」を分けて説明しましょう。

13. 紛失・破損・再交付時の注意点

特定在留カードは、在留カードとマイナンバーカードの両方の性質を持つため、紛失・盗難・破損時の対応は特に重要です。

在留カードを紛失した場合、通常は警察への遺失届・盗難届などを行い、その上で地方出入国在留管理局で再交付申請を行うことになります。
出入国在留管理庁の「紛失等による在留カードの再交付申請」ページでは、紛失等による再交付申請の手数料はかからないと案内されています。

一方、特定在留カードの場合は、マイナンバーカード機能も含まれるため、マイナンバーや電子証明書に関する対応も関係します。
暗証番号や電子証明書を利用している場合には、悪用防止の観点から速やかに関係窓口へ確認することが大切です。

紛失時の基本対応

  1. 紛失・盗難に気づいたら、まず警察へ届出を行う
  2. 地方出入国在留管理局で在留カード再交付申請の要否を確認する
  3. 特定在留カードの場合、マイナンバーカード機能の停止等についても確認する
  4. 会社・登録支援機関へ速やかに報告する
  5. 再交付後、会社の在留期限管理表や本人確認資料を更新する

企業側では、外国人従業員が在留カードを紛失した場合の社内連絡ルールを決めておくと安心です。
特定技能外国人の場合は、支援担当者や登録支援機関が本人から相談を受ける可能性が高いため、紛失時の案内フローを準備しておくことをおすすめします。

14. 企業担当者が今すぐ確認すべき3つのポイント

特定在留カード制度の開始により、企業担当者がすぐに確認すべきポイントは次の3つです。

ポイント1|在留期限管理をカードの種類に左右されない形にする

従来の在留カード、新様式の在留カード、特定在留カードが混在すると、担当者がカードの見た目に戸惑う可能性があります。

しかし、企業にとって最も重要なのは、カードの種類にかかわらず、在留資格・在留期間の満了日・就労制限の有無を正確に管理することです。

在留期限は、Excelや労務管理システムなどで一覧化し、少なくとも期限の3か月前には更新準備を開始できるようにしておきましょう。

ポイント2|在留カード等読取アプリの利用体制を整える

在留カードの真正性確認やICチップ情報の確認には、出入国在留管理庁が提供する在留カード等読取アプリケーションの活用が有効です。

外国人雇用が多い企業では、採用担当者、人事担当者、現場管理者の誰がカード確認を行うのか、読取アプリをどの端末で使うのか、確認記録をどのように残すのかを整理しておきましょう。

ポイント3|マイナンバーの取扱いルールを再確認する

特定在留カードは、マイナンバーカードの機能を持ちます。
そのため、カード裏面にはマイナンバーが記載されます。

企業が外国人従業員の在留カード確認を行う際、必要以上に裏面をコピーしたり、マイナンバーを目的外で保管したりすることは避けなければなりません。
マイナンバーは、利用目的を明示し、必要な範囲で取得・保管・廃棄する必要があります。

行政書士カラフル事務所からのアドバイス
外国人雇用の現場では、在留カード確認とマイナンバー管理を別々のルールで運用している企業が多くあります。
特定在留カード制度の開始を機に、採用時の本人確認、在留期限管理、マイナンバー取得の流れを一度見直すことをおすすめします。

更新申請前に企業が確認しておくべき事項

2026年6月14日から特定在留カード制度が開始されたことにより、外国人従業員の在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請を行う際には、従来の確認事項に加え、特定在留カードに関する希望の有無も確認しておくことをおすすめします。

特定在留カードの取得は義務ではありません。
そのため、更新申請を行う前に本人の意向を確認しておくことで、必要書類の準備漏れを防ぐことができます。

更新申請前の確認チェックリスト

  • 現在のマイナンバーカードを保有しているか
  • 特定在留カードへの切替を希望するか
  • 住所変更予定はないか
  • 氏名変更や国籍変更等の届出事項はないか
  • マイナンバーカードの暗証番号を把握しているか
  • カードの紛失・破損等はないか

① マイナンバーカードの保有状況を確認する

特定在留カードは、在留カードとマイナンバーカードを一体化した制度です。
そのため、本人が現在マイナンバーカードを保有しているかどうかを確認しておくことが重要です。

② 特定在留カードを希望するか確認する

在留期間更新許可申請を行ったからといって、自動的に特定在留カードへ切り替わるわけではありません。
特定在留カードを希望する場合には、特定在留カード等交付申請書等の提出が必要になります。

③ 住所変更やカード情報の変更がないか確認する

住居地変更届出を行っていない場合や、カード情報に変更がある場合には、更新手続とあわせて対応が必要になることがあります。

行政書士カラフル事務所からのアドバイス
今後は在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請のヒアリングシートに、「マイナンバーカード保有の有無」と「特定在留カード希望の有無」を追加しておくと、スムーズに対応できます。

15. 特定技能外国人への影響

特定技能外国人を受け入れている企業にとって、特定在留カード制度は特に関係が深い制度です。

特定技能では、受入機関に対して、外国人本人の適正な雇用管理、支援計画の実施、各種届出、在留期限管理などが求められます。
カードが特定在留カードになったとしても、これらの義務が軽くなるわけではありません。

むしろ、カードの種類が増えることで、在留期限や就労可能な業務区分を確認する体制をより明確にしておく必要があります。

特定技能で確認すべき事項確認のポイント
在留資格「特定技能1号」又は「特定技能2号」か確認する
分野・業務区分実際の業務が許可された分野・
業務区分に合っているか確認する
在留期間の満了日更新期限の3か月前を目安に準備を始める
支援状況定期面談、生活オリエンテーション、
相談対応の記録を確認する
住所変更市区町村での届出、会社情報、
支援記録を更新する

特定技能外国人の場合、転職時や勤務先変更時には、在留資格変更許可申請が必要となる場面があります。
特定在留カードを持っているかどうかにかかわらず、勤務先や業務内容が変わる場合は、在留手続の要否を確認しましょう。

特定技能外国人の受入れについては、行政書士カラフル事務所の特定技能制度の解説ページをご確認ください。

16. 登録支援機関が注意すべきポイント

登録支援機関にとっても、特定在留カード制度は無関係ではありません。

登録支援機関は、特定技能1号外国人に対して、生活オリエンテーション、相談対応、行政手続への同行支援、定期面談などを行います。
特定在留カード制度の開始により、外国人本人からカードの切替、住所変更、紛失、暗証番号、マイナンバーの取扱いについて相談を受ける場面が増える可能性があります。

登録支援機関が準備しておきたいこと

  1. 特定在留カードが任意制度であることを説明できるようにする
  2. 在留カードとマイナンバーカードの一体化の概要を多言語又はやさしい日本語で説明する
  3. 住所変更時の市区町村手続を案内できるようにする
  4. 紛失時の警察・入管・マイナンバー関係窓口の流れを整理する
  5. 暗証番号を本人以外が管理しないよう注意喚起する
  6. 支援記録に、必要な案内・相談対応の内容を残す

特に重要なのは、暗証番号の管理です。
マイナンバーカード機能を利用するための暗証番号は、本人が管理すべき情報です。
登録支援機関や受入機関が安易に暗証番号を預かったり、一覧表で管理したりすることは避けるべきです。

登録支援機関による支援体制については、行政書士カラフル事務所の登録支援機関による特定技能外国人支援ページもご覧ください。

17. 就労ビザ・永住者・留学生・家族滞在への影響

特定在留カード制度は、特定技能だけでなく、さまざまな在留資格の方に関係します。

技術・人文知識・国際業務の場合

技術・人文知識・国際業務の方は、企業で専門的・技術的な業務に従事する在留資格です。
特定在留カードを持っているかどうかにかかわらず、実際の業務内容が在留資格の範囲内であるかが重要です。

職務内容が変わる場合、転職する場合、派遣先や勤務形態が変わる場合には、在留資格該当性や届出の要否を確認しましょう。

永住者の場合

永住者も中長期在留者であり、在留カードの交付対象です。
そのため、制度上、特定在留カードの対象となり得ます。

永住者は在留期間の更新はありませんが、在留カードには有効期間があります。
特定在留カードにする場合でも、カードの有効期間や更新手続について確認が必要です。

留学生の場合

留学生の場合、資格外活動許可の有無が非常に重要です。
アルバイトをする場合には、資格外活動許可を受けているか、週28時間以内などのルールを守っているかを確認する必要があります。

特定在留カードを持っている場合でも、資格外活動許可の確認は必要です。企業が留学生をアルバイト採用する場合は、カードの種類にかかわらず、就労可能性を慎重に確認しましょう。

家族滞在の場合

家族滞在の方は、原則として就労できません。
アルバイト等を行う場合には、資格外活動許可が必要です。

特定在留カードを持っているからといって、就労制限がなくなるわけではありません。
企業が採用する場合は、資格外活動許可の有無と就労時間の制限を確認する必要があります。

就労ビザ全般については、行政書士カラフル事務所の就労ビザの解説ページをご確認ください。

18. よくある質問

 特定在留カードは必ず作らなければなりませんか?

いいえ。特定在留カードの取得は義務ではありません。
マイナンバーカードの取得が任意であるため、在留カードとマイナンバーカードを別々に持つことも可能です。

特定在留カードにすると、在留資格の更新は不要になりますか?

いいえ。
特定在留カードはカードの一体化制度であり、在留資格の更新義務がなくなるわけではありません。
在留期間がある方は、従来どおり在留期間更新許可申請が必要です。

特定在留カードの申請には手数料がかかりますか?

出入国在留管理庁の公式情報では、在留カードの交付申請を行い、特定在留カードの交付を受ける場合には手数料は必要ないと案内されています。
ただし、同時に行う在留期間更新許可申請等の手数料は別途必要となる場合があります。

永住者も特定在留カードの対象ですか?

永住者は中長期在留者であり、在留カードの交付対象です。
そのため、制度上、特定在留カードの対象となり得ます。
ただし、本人の希望やマイナンバーカードの状況により判断します。

特定技能外国人も特定在留カードを申請できますか?

特定技能外国人は中長期在留者であり、在留カードの交付対象です。
そのため、制度上、特定在留カードの対象となり得ます。
ただし、申請するかどうかは本人の希望や手続状況によります。

特定在留カードを持っていれば、どんな仕事でもできますか?

いいえ。
特定在留カードはカードの種類であり、在留資格の活動範囲を広げるものではありません。
就労できる内容は、在留資格や資格外活動許可の有無によって決まります。

会社は特定在留カードの裏面をコピーしてよいですか?

裏面にはマイナンバーが記載されるため、取扱いには注意が必要です。
マイナンバーを取得する場合は、利用目的の明示や安全管理措置が必要です。
在留資格確認の目的だけで安易に裏面をコピーすることは避けるべきです。

特定在留カードを紛失した場合はどうすればよいですか?

警察へ紛失・盗難の届出を行い、地方出入国在留管理局で再交付申請の要否を確認します。
特定在留カードの場合は、マイナンバーカード機能の停止等についても確認が必要です。

住所変更をした場合、何をすればよいですか?

市区町村で転入・転居等の手続を行い、カード情報の更新が必要となる場合があります。
会社や登録支援機関にも住所変更を報告し、支援記録や緊急連絡先等を更新しましょう。

特定在留カードを作れば、登録支援機関の支援は不要になりますか?

いいえ。
特定在留カードはカード制度であり、特定技能1号外国人への支援義務がなくなるわけではありません。
登録支援機関又は受入機関は、従来どおり支援計画に基づく支援を行う必要があります。

特定在留カードを持っている外国人を採用する場合、確認すべきことは何ですか?

在留資格、在留期間の満了日、就労制限の有無、資格外活動許可の有無、実際の業務内容との整合性を確認します。
必要に応じて在留カード等読取アプリでICチップ情報を確認しましょう。

留学生や家族滞在でも特定在留カードを持っていれば働けますか?

特定在留カードを持っていることと就労できることは別です。
留学生や家族滞在の方がアルバイトをする場合は、資格外活動許可の有無や就労時間の制限を確認する必要があります。

在留期間更新許可申請をすると自動的に特定在留カードになりますか?

いいえ。
自動的に特定在留カードへ切り替わるわけではありません。
特定在留カードを希望する場合は、在留期間更新許可申請等に加えて、特定在留カード等交付申請書及び暗証番号等設定依頼書を提出する必要があります。

在留資格認定証明書交付申請(COE)でも特定在留カードを申請できますか?

基本的にはできません。
特定在留カードは、日本に住民票がある中長期在留者を対象とした制度です。
そのため、海外にいる外国人のための在留資格認定証明書交付申請とは直接関係ありません。
入国後に住民登録を行い、マイナンバーの対象となった後に、特定在留カードの申請を検討することになります。

日本で働く外国人には全員マイナンバーが付与されますか?

住民票が作成される中長期在留者にはマイナンバーが付番されます。
一方、短期滞在者など住民票が作成されない外国人には付番されません。
また、マイナンバーが付番されていても、マイナンバーカードの取得は任意です。

マイナンバーカードを持っていない場合でも特定在留カードを取得できますか?

特定在留カードは、マイナンバーカードと在留カードを一体化した制度です。
そのため、マイナンバーカードを保有していない場合は、まずマイナンバーカードの取得手続が必要になります。

企業は外国人従業員に何を確認すればよいですか?

2026年6月14日以降は、外国人従業員の在留期間更新許可申請の準備段階で、 ①マイナンバーカードを保有しているか、 ②特定在留カードを希望するか、 ③住所変更の予定がないか、 ④氏名変更等の届出事項がないか を確認しておくことをおすすめします。
また、特定在留カードを取得した場合でも、企業が確認すべき事項は従来と同様であり、在留資格、在留期限、就労制限の有無、資格外活動許可の有無等を継続して確認する必要があります。

19. まとめ|特定在留カード制度を正しく理解し、外国人雇用管理を見直しましょう

特定在留カードは、在留カードとマイナンバーカードを一体化する新しい制度です。
外国人本人にとっては、カード管理や行政手続の負担軽減につながる可能性があります。

一方で、企業や登録支援機関にとっては、カードの種類が増えることで、在留資格確認・在留期限管理・マイナンバー管理・住所変更時の対応をより丁寧に行う必要があります。

特に、特定技能外国人を受け入れている企業では、在留期限管理、支援記録、住所変更時の案内、更新申請の準備など、これまで以上に正確な管理が求められます。

制度が変わる時期は、現場で誤解や確認漏れが生じやすい時期です。
特定在留カード制度を正しく理解し、外国人雇用管理の社内ルールを見直しておくことが大切です。

外国人雇用・在留資格申請は行政書士カラフル事務所へ

行政書士カラフル事務所では、千葉県木更津市を拠点に、就労ビザ、特定技能、登録支援機関業務、在留資格変更・更新申請、外国人雇用に関する実務相談をサポートしています。

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参考・出典

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